毎週末、サイエンス(特に生命科学あたり)にまつわるニュースを3本にしぼって簡単に紹介するコーナーです。今週は、因果関係と相関関係、夏休み子ども科学電話相談、ヒト受精卵ゲノム編集の3本です。

因果関係と相関関係

この2つが話題になったのは7月22日にNHKで放送された『AIに聞いてみた どうすんのよ!? ニッポン』です。AIの分析結果から読み解いた提言として「健康になりたければ病院を減らせ」などがあります。ただ番組内でも何回か述べていたように、AIは相関関係があることだけを明らかにしており、どちらが原因でどちらが結果か(そもそも因果関係があるのか)まではわかりません。それを前提に話し合うのはおもしろいのですが、因果関係があるかのように大きく掲げるのはやはりよくないと思います。

ものすごく極端な例として「気温の高さ」と「アイスの売上」が同じ関係にあるとします。もちろん「暑いからアイスが売れた」であり、「アイスが売れたから暑くなった」のではありません。因果関係を見誤ると「アイスの売上を抑えれば涼しくなる」という間違った対策が生まれます。

この相関関係と因果関係を巧みにごちゃ混ぜにしてだまそうとするのが詐欺師や怪しげな医療です。そうなると個人のお金や命に関わります。これを機に自衛策として勉強し直してはいかがでしょうか。

夏休み子ども科学電話相談

毎年子どもの夏休みに合わせてNHKで放送されるラジオ番組。本来はキッズ向けだけど軽快なやり取りが大きなおともだち大人にも受け、毎日Twitterでは番組開始早々に #夏休み子ども科学電話相談 がトレンド入りするほど。僕も午前はこれを実況してて仕事になりません。今年からついにらじる★らじるで聞き逃し配信に対応したのでぜひ聴いてください(もう一度言いますが「キッズ」ジャンルです)。

夏休み子ども科学電話相談 – NHK

ヒト受精卵へのゲノム編集

海外メディア「MIT Technology Review」によると、米オレゴン健康科学大学の研究チームがヒト受精卵に対して、遺伝情報を簡便に改変するゲノム編集を実施したとのこと(子宮には戻していません)。これまでも同様の報告が中国から3例ありましたが、アメリカで明らかになったのは初。現在は論文の審査中であり詳細は不明。これまでの課題として、細胞分裂が進んだときにゲノム編集された細胞とされていない細胞が混ざるモザイクという問題がありましたが、ゲノム編集に必要な物質を受精と同時に注入したことでかなりの確率で回避できたらしい。論文が掲載されたら詳しく紹介します。

First Human Embryos Edited in U.S. – MIT Technology Review

噂は本当だった!ヒト受精卵の遺伝子を改変した研究成果が発表

ヒト受精卵へのゲノム編集2例目が報告される

成長できるヒト受精卵にゲノム編集したと初の報告

 

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