毎週末、サイエンス(特に生命科学あたり)にまつわるニュースを3本にしぼって簡単に紹介するコーナーです。今週は、日本初の民間ロケット打ち上げ、東大で研究不正認定、カナダで遺伝子組換えサケ販売の3本です。

日本初の民間ロケット打ち上げ

堀江貴文氏が出資する企業「インターステラテクノロジズ社」が民間会社としては日本初となる、宇宙空間を目指したロケット打ち上げが北海道大樹町で実施。打ち上げ約66秒後に情報が途絶えたため、エンジン停止コマンドを送信して機体は海上に落下、目標高度100キロのところ推定高度20キロまで達したと見られています。最初としてはまずまずの結果という印象をもっています。

打ち上げと言えば鹿児島県種子島のイメージが強いのですが、大樹町は1987年に「航空宇宙産業基地」の候補地に選ばれており、JAXAの実験場もあります。ちなみに道の駅には、チーズをフリーズドライ加工したお土産「スペースチーズ」が売っています。以前『JBpress』で記事を書くときに特別に送ってもらったのですが、お酒といっしょに食べるのにちょうどいいです。近くに行く機会があればぜひ。

収まりきらないご当地グルメ、チーズを宇宙に大遠投 ご当地宇宙食「スペースチーズ」を作ってしまった北海道大樹町 – JBpress

東大で研究不正認定

昨年の夏に匿名で告発があったのですが、その調査が終わり、東京大学分子生物学研究所の渡邊教授ら2人が研究不正を行ったと認定されました。グラフの捏造、画像の過度なコントラスト調整による改ざんなど、5本の論文で16の図で研究不正があったとのこと。

渡邊教授は、僕が大学院にいたときに集中講義でうちの大学に来たことがあって、とても面白い講義だったのを覚えています。ちょうどそのころ、生殖細胞の細胞分裂に関わるタンパク質を発見し、「守護神(shugoshin)」と命名して話題になっていたころでした。とても残念です。

記者会見「22報論文の研究不正の申立てに関する調査報告」の実施について – 東京大学

Kitajima et al. (2004) The conserved kinetochore protein shugoshin protects centromeric cohesion during meiosis. nature 427, 510−517.

カナダで遺伝子組換えサケ販売

今年の1月から6月にかけてカナダで遺伝子組換えサケが4.5トン販売されていたことが明らかに。製造者はアメリカのアクアバウンティ・テクノロジズ社。2015年に米食品医薬品局(FDA)から食品として承認されていたものの、遺伝子組換えの動物が実際に販売されたのは世界初であると『nature』は報じています。ただし同社は、誰に販売したのかは明らかにしていません。

遺伝子組換えサケは、キングサーモンの成長ホルモンを作る遺伝子をタイセイヨウサケに導入したもので、通常の半分(18ヶ月)で市場に並ぶほどの大きさに成長できるとのこと。

First genetically engineered salmon sold in Canada – Nature News & Comment

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