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ある意味老舗の遺伝子解析サービス「DHCの美肌対策キット」レビュー(2)結果報告

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世の女性にとってダイエットと美容は永遠の悩みだと思いますが、遺伝子を調べることでそれらへのアドバイスが本当にできるのでしょうか。DHCが提供している遺伝子解析サービスのうち、美肌対策キットを実際に購入して確かめることにしました。今回は結果を見てみます。

僕の肌リスクは?

サンプルを返却しておよそ2週間後、結果が郵送されてきます。最近は専用サイトにログインするタイプが多いなか、このサービスは紙で送られてきます。その理由は最後に明らかになります。

報告書の最初のページをめくると、ざっと概要が書いてあります。美肌対策キットなので、肌の断面図のイラストも。

遺伝子名があるだけで、スニップの名前や実際の塩基の記載はなく、変異があるかどうかの「+ / -」で書いてあります(スニップは変異ではなく多型と呼ぶのが一般的なんだけど)。僕はどうだったかというと「シワのリスクが高く、シミや敏感肌のリスクは低い」という結果でした。ということで「毎日のスキンケアで、ハリと弾力を保ちましょう」というアドバイスをもらいました。

シワやシミ、敏感肌になる仕組みなどについて、比較的わかりやすく紹介しています。

報告書の後ろには参考文献の一覧。専用の相談窓口につながるフリーダイヤルもありました。

こちらはパーソナル・カルテ。中を見ると、遺伝子のタイプ別にアドバイスが書かれています。きっと8パターンあるのでしょう。僕はシワのリスクが高いということで、保湿効果のある化粧水を使い、日傘などで紫外線対策をするように、とのことでした。

最後の冊子には、遺伝子のタイプ別にオススメする「ジェノケアエッセンス」シリーズの紹介、そして僕に合ったNo.5の試供品が入っています。この試供品を送るために、あえて紙の冊子として郵送していると考えられます。

そこで僕はというと、そんなにシワがあるほうではないと思います。ただ洗顔するとすごく肌が乾燥するので、お風呂上がりには化粧水を使っています。紫外線対策は特にしていませんが、日傘を買ったほうがいいのかしら。最近は日傘男子とかいるみたいだし。

シミについては、今のところは気になりません。敏感肌(冊子では肌荒れや炎症を起こしやすいかどうかとしています)については、子どものころはアトピー性皮膚炎だったし、今でもたまにニキビができるので、むしろリスクは高めなのでは? と思います。

なお試供品には、シワの原因となるコラーゲン分解酵素MMP-1(今回調べた遺伝子のひとつ)の産生を抑える効果があるらしい「アーチチョーク葉エキス」、コラーゲンを増やすらしい「クズ顆粒エキス」が入っています。ただパーソナル・カルテを見ると、どちらの成分も培養細胞を使った実験を根拠にしていました(アーチチョーク葉エキスでは肌弾力が改善したというグラフもありましたが、20代女性1人を見たデータのみ)。そのため、本当にヒトの肌で効果があるのかは不明です。あ、それも僕が人体実験で確かめろということですかそうですか。

解析に関わる情報が少なすぎる

毎回紹介していることですが、ゲノム解析サービスについては、行動神経科学が専門の宮川先生が著書において、まともなサービスが最低限満たすべき条件を4つ述べています(206ページに掲載)。

1.学術研究のデータを使った数値的な資料が出ていること

2.集団の平均値に与える効果を示しているにすぎないことが明記されていること

3.スニップの名前が明記されていること

4.根拠となるオリジナルの学術研究論文が明記されていること

そこで、このDHCの美肌対策キットはどうかというと、

1.リスクが高い、低いの2段階評価で、数値として出ていない:×

2.集団における平均値というような注意事項が書かれていない:×

3.どこにもスニップの名前がない:×

4.巻末に参考文献一覧がある:○

4点中1点しか満たしていません。特に数値評価がないのはかなり問題で、例えばシワで言えば年齢的に早く出やすいのか、それともシワの数が増えやすいのか、あまりはっきりしていません。年齢的にいつごろから具体的な対策をしたらいいのか、よくわかりませんでした。まあ女性の方に言わせれば「早いに越したことはない」になるのでしょうけれども。

また、スニップの名前がなく、さらに実際に自分がどの塩基なのかわからないというのも厄介です。上記のような疑問がでたときに、スニップの名前がわかっていれば自力で検索して検証できるのですが、それすらできないというのは考えものです。

以上のように、DHCのこのサービスについては、解析に関わる情報開示が少なすぎるという印象を抱かざるをえません。集団における平均値ということを明記して、調べたスニップの名前や実際の塩基を書くだけでも、誠実さがより伝わると考えます。数値評価もあると判断しやすくなるので、もしバージョンアップするのであればそのあたりに期待です。

ところで、本当に遺伝子の個人差は美肌の体質の差につながっているのでしょうか。幸いにも参考文献は明記されているので、がんばって論文を読み解いてみることにしました。個人的に気になる敏感肌について調べてみたのですが、なかなか興味深いことがわかったので、次回に書きます。

遺伝子解析サービスに関することはmy genomeタグにまとめてあります。ぜひご覧ください。

 

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