駅弁をその場で温める方法はどんな原理なのか

chemistry

この前の金曜日に仙台に日帰り出張でございました。お仕事はともかく、仙台といえば牛タンじゃないですか。僕も仙台駅で買って家で食べました。

ところで最近、食べる直前で温められる駅弁があります。糸を引っ張るとかして。アレってどういう仕組みなんでしょう??

ほんのり温かくなる

というわけで実験をしてみました。用意したのは、仙台駅で購入した「網焼き牛たん弁当」、1つ1000円。

外見はこんな感じ。左下には使用方法。下にうっすらと黄色い紐がのびてて、どうやらこれを引っ張るらしい。商標登録で「ナルホット」。

僕の想像では蒸気が出るほどの加熱じゃないかと思い、新幹線の中だと周りに迷惑がかかりそうなので、家でやってみました。では引っ張ってみよう。バシっと。

「ボォォォオッッ!!」

な、なんだ!一瞬だけどものすごい音がしたんだけど……。そのまま触らずに5分くらい待つと完成。ところが3分後、気づくと表面のシールが焦げてる。

え、そんなに熱いのか。さらに2分後、そろそろ食べ頃らしい。披露!!

おいしそう(´ρ`*)

けど、うーん、ビックリするほど柔らかくはないんだけど、まぁ駅弁にしてはそこそこ美味しいかな……じゃなくて、これが意外と熱くない。湯気が全然出てなくて、ご飯や牛タンもほんのり温かい。室温の状態で電子レンジで軽く15秒くらいチンしたくらいでした。

消石灰を水の水和熱を利用する

さて気になるのはこの温かくなる原理。食べ終わって、さっそく上の容器を外してみよう。

発熱ユニット?? 表面にはこんなことが書いてある。「発熱剤として生石灰と反応水が入っています。飲食はできません。反応後は消石灰になります。肥料などに再利用できます。30分ほど熱さが持続します。取り扱いにご注意ください」。ふーむ、生石灰と水が反応して、そのときの水和熱を利用しているのか。

さらに気になったので、この発熱ユニットをはがしてみた。

反応後の消石灰らしい。触るとほんのり温かい。さらにこの消石灰を全部どかすとこんな感じ。

袋が真ん中で割れている。ということは、最初は水が入ったこの袋は紐で閉じられていて、紐を引っ張ると袋が切れて水があふれる、その水と生石灰が反応して発熱する…という仕組みらしいです。

それっぽく書くとこれ。

CaO + H2O → Ca(OH)2 + 65kJ

65kJってピンとこないけど、理論上の計算だと写真の量くらいの生石灰で、コップ1杯の水を80℃くらい上げるくらいの熱量です。え、80℃も! だから消費期限のシールも焦げるわけだ。

ただおそらく瞬間的な熱量だろうから、牛タン弁当全体がアツアツにまではならないんでしょう。

 

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