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遺伝子解析サービスの最高峰になるか?DeNAの「マイコード」レビュー(2)結果報告

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DeNAが手がける遺伝子解析サービスMYCODE(マイコード)はどれほどの実力を持っているのでしょうか。自分の唾液サンプルを送ったのが8月16日、結果は8月25日に帰ってきました。他のサービス事業者では1ヶ月近くかかるので、10日足らずというのはかなり早いです。それではレビューということで、結果を見ていきましょう。

全体的にポップなデザイン

結果が出るとメールで連絡がきます。マイページにログインすると、初回は下の画面が現れます。

注意事項や解釈の仕方などが書かれています。「結果は個人のリスクを示すものではなく、集団における傾向です」など、かなり正確に書かれています。

僕が申し込んだオールインワン280+では、最初に疾患発症リスクの高いものが表示されます。これによると肺がんのリスクが高いようです。ジーンクエストでもディアジーンでも似たような結果が出ているので、今さら驚きません。ただ、ディアジーンでは前立腺がんの発症リスクは0.86倍だったのが、マイコードでは1.47倍とやや高めに出ているのは、少し気になります。

全体的な見た目はポップな印象となっていて、ジーンクエストよりも、とっつきやすいかもしれません。

僕のデング熱重症化リスクは?

オールインワン280+では、なんと「デング熱」という項目があります。このご時世、気になります。

実際には、デング熱に感染しやすいかではなく、デング熱に感染したときに重症になりやすいか、ということです。ただ、僕のリスクは1.31倍なので、ちょっと危ないかもしれません。どのみち用心するに越したことはないのですが。

リスクの数字の右の「?」をクリックすると、オッズ比がどういう意味なのかがイラスト付きでわかるようになっています。

デング熱重症化リスクは、2箇所のSNPを調べています。

参考文献も明示されています(クリックするとPubMedに移動します)。おまけに、どこの研究グループがどの集団を対象にして、どこの遺伝子にあるSNPを見ているのかも日本語で書かれています。ここまで丁寧に書かれているのは初めて見ました。

他にはデング熱の特徴や症状、治療法(デング熱は治療法がないので感染防止策など)があります。国内感染が今年注目されていること、海外渡航者では普段から年間200人ほど報告されているなど、感情的に煽ることなく淡々と書かれていて読みやすいです。

なお、前立腺がんなど、ある程度予防法がわかっているものについては、どの要素がどれくらい関わっているのかも表示します。

上の画面は前立腺がんの場合で、動物性脂肪や牛乳はリスクを上げ、穀物・豆類・野菜はリスクを下げるようです。僕は朝食でフルグラに牛乳をかけて食べているのですが、牛乳を豆乳にしたほうがいいのかしら?

他にも、おすすめ料理やレシピなどを見ることができます。ここまでくると、ちょっとしたクックパッドです。ただ、せっかくなので作ってみようかな、という気にはなります。今度「ミネストローネでトマトリゾット」でも作ってみようかしら?

僕のアルツハイマー病リスクは?

オールインワン280+では、なんとアルツハイマー病、パーキンソン病、全般性てんかんのリスクも教えてくれます。しかし治療法もない上に日々の生活に大きな影響を与えるもののため、結果を見るためには3回も確認の操作をしないといけません。

「事前の確認」をクリック

「確認する」をクリック

「上記を確認および理解しました」にチェックを入れてから「結果を確認します」をクリック

これでやっと結果を表示できます。僕のアルツハイマー病の発症リスクは0.86倍。ちょっと拍子抜け?という印象です。

アルツハイマー病では2箇所のSNPを見ていますが、下のrs429358でCCの組み合わせのオッズ比は27.46とあります。rs429358はアルツハイマー病の遺伝的要因のひとつであるApoE遺伝子に含まれるSNPです。これに該当した場合、人によってはかなりショックを受けるのかもしれません。個人的にはこれを解析するのはグレーゾーンのような気もしますが……。

そういうときには、有料オプションで、管理栄養士による対面アドバイス(ネット電話)を受けることができます。現在は先着300人に限って、50分で5,800円です。ただ、アルツハイマー病などは管理栄養士のフォロー範囲なのか、よくわかりません。

項目数が多いだけでなく、膨大な手間をかけている

アルツハイマー病のグレーゾーンは気になりますが、それ以外はデザインも見やすく、コストパフォーマンスがかなり高いと言えます。

ではマイコードは信頼度はどの程度なのか。毎回恒例ですが、行動神経科学が専門の宮川先生が著書(下に掲載)で述べている、まともなサービスが最低限満たすべき条件4つから判断します。(206ページに掲載)。

1.学術研究のデータを使った数値的な資料が出ていること

2.集団の平均値に与える効果を示しているにすぎないことが明記されていること

3.スニップの名前が明記されていること

4.根拠となるオリジナルの学術研究論文が明記されていること

マイコードはいずれの条件も満たしています。特に4の学術研究論文は、日本語の要約まで付いており、疾患に関する客観的な情報や予防策も膨大な量となっています。表面的な項目数や価格(いわば「表向きのスペック」)では比較できないようなことも、しっかり手堅くまとめあげています。専門医や管理栄養士からアドバイスを受けているとのことなので、かなりの手間がかかっていることが読み取れます。「とりあえずブームに便乗しよう」程度の目的のサービスでないことは明らかです。

マイコードでは、直接の遺伝子解析以外にもいろいろなことができます。現在の自分の生活習慣をアンケートで記入すると、自動で自分のためだけのアドバイスが表示されるようです。次回ではこのあたりのことを紹介します。

遺伝子解析サービスに関することはmy genomeタグにまとめてあります。ぜひご覧ください。

 

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