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ヤフーの遺伝子解析サービス「ヘルスデータ・ラボ」は遺伝子情報をどう扱うのか?

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Yahoo!(ヤフー)の遺伝子解析サービス「HealthData Lab(ヘルスデータ・ラボ)」が11月にスタートしました。「GeneLife(ジーンライフ)」はジェネシス・ヘルスケア社の商品を単に取り次いでいるだけですが、ヘルスデータ・ラボはヤフー本体が手がけるサービスです。

ヘルスデータ・ラボのWebサイトより

ジーンクエストが解析を担当

ヘルスデータ・ラボと、DeNAが提供する遺伝子解析サービス「MYCODE(マイコード)」は、かなり似ています。ただ、マイコードは自社でスニップ(ゲノム上における一塩基多型、遺伝情報の個人差)を解析するのに対して、ヘルスデータ・ラボではジーンクエストが請け負います。

ジーンクエストは、今年の1月に遺伝子解析サービスを日本で初めて提供した、東大発のベンチャー企業です。こんなところで出てくるとは思ってもいませんでしたが。

ジーンクエストのWebサイトより

そのため、ジーンクエストと同じスニップを調べて、同じ結果が出るはずです(項目の種類は違いますが)。値段も、ジーンクエストとヘルスデータ・ラボは同じ49,800円。ジーンクエストは解析と純粋な結果を出すだけなのに対して、ヘルスデータ・ラボは他のヤフーのコンテンツにリンクを張ることで、幅広いアドバイスを提供できます。この点もマイコードとは異なります(マイコードもアドバイスはありますが、そのコンテンツはゼロから作っています)。

遺伝子情報はどう扱われる?

ヤフーは「Yahoo!ショッピング」や「ヤフオク!」といったネット通販事業も手がけています。そこで気になるのは、解析された遺伝子情報と、Webページの閲覧履歴やネット通販の購入履歴などはリンクされるか、というところです。ネット通販を利用している人なら「この商品を買った人は、この商品も買っています」というリコメンド機能を見たことがあるでしょう。同じように「あなたと同じスニップをもつ人は、この商品を買っています」ということは起こりうるのでしょうか。

この点については「よくあるご質問」のなかにある「遺伝情報を広告表示に使うことがありますか?」で回答しています。これによると、現時点では広告表示などで遺伝情報を使用しないこと、ただし倫理的技術的な課題がクリアできれば、今後はありうるとしています。

ヘルスデータ・ラボの「よくあるご質問」より

ただ、ヤフー全体の利用規約のなかに、気になる文言があります。「第2章プライバシーポリシー」の「I 履歴情報および特性情報について」「1. 履歴情報および特性情報の取得」に、次のような一文があります。

「病気予防のためのエビデンス(根拠)情報の収集、獲得、創出のためのプロジェクトおよびその一環としてなされるゲノム解析サービスに申し込まれたお客様から提供いただいた試料を検査し、解析した結果得られるお客様の遺伝子に関する情報等(以下「遺伝子情報」といいます)などの情報を、お客様が当社や当社の提携先(情報提供元、広告主、広告配信先などを含みます。以下「提携先」といいます)のサービスをご利用になったりページをご覧になったりする際に取得します」

ヤフー株式会社サービス利用規約第1編基本ガイドラインより

ということは、現時点では遺伝子情報を「広告表示のためには使っていない」けれども「データとしては取得している」と
のためだと思われます。

Yahoo! JAPAN IDを取得するためには、この規約に同意する必要があります。ヘルスデータ・ラボの遺伝子解析キットの購入にはYahoo! JAPAN IDが必要なため、ヘルスデータ・ラボの利用者は必然とこの規約に同意していることになります。ヤフー全体の利用規約にあることから、そう簡単にオプトアウトする(遺伝子情報を利用させないようにする)ことは難しいと思われます。Yahoo! JAPAN IDをフル活用してリコメンド機能を楽しめる人は問題ないと思いますが、そうでない人にとっては無視できない障壁となります。

なお、ヘルスデータ・ラボで結果を見るには、膨大なアンケート(約300問!)に回答するのが必須となります。他のサービスでは、結果を見てから各自が自由にアンケートに答えることが多いので、少し異質と言えます。ヘルスデータ・ラボの利用を検討している人は、これらのことを踏まえた上で申し込みましょう。

遺伝子解析サービスに関することはmy genomeタグにまとめてあります。ぜひご覧ください。

 

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