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再出発する遺伝子解析サービス「ディアジーン」はビジネスモデルを確立できるか (1)新サービス発表

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ちょうど今から1年前、ジーンクエストに続いて遺伝子解析サービスの提供を始めたのがエバージーンです。「music.jp」や「ルナルナ」などを提供するMTIが設立した子会社で、サービス名は「ディアジーン(DearGene)」。本日、料金プランを一新したサービス「ディアジーン・スターターキット」が発表されました。会見に参加してわかった、サービスの概要を紹介します。

ユーザー獲得への再出発

ディアジーンは昨年の4月にスタート。当初は、胃がんや肺がんなど、「がん関連遺伝子までわかる」という差別化を図ることで話題となりました。ところがその後、DeNAの「マイコード」もがん関連遺伝子を調べることになり、ジーンクエストもがん関連遺伝子の解析項目を次々に追加しています。

がん以外も含めて、ディアジーンで解析できるのは26種類。他が100種類以上調べるのと比べると、どうしても見劣りします。実際、昨年12月に開催された次世代PGSフォーラムにて、エバージーンの秋田社長は「ユーザー数が伸び悩んでいる」と発言していました。

そこで今回のスターターキットでは、次に紹介するように、料金プランも解析体制も一新してきました。いわば「再出発」といったところでしょうか。

4980円からスタート、ユーザーが自由に追加購入

新サービス「ディアジーン・スターターキット」は、なんとたった4980円(税抜)。これで10種類のがんを調べます。そして、ここからが特筆すべきところで、他の体質や食物アレルギーなどの解析項目は、ユーザーが知りたいものを「自由に追加購入」できます。

ディアジーン・スターターキットのプラン

他の遺伝子解析サービスは、200種類前後を丸ごと調べますが、ほとんどは数万円するため、利用にはかなりの勇気が必要です。これに対してディアジーン・スターターキットは、最初の敷居を低くして、あとはユーザーが興味のあるものだけを選ぶという仕組みです。他にはない料金プランです。

ディアジーン・スターターキット自体は本日から販売され、解析には約1カ月かかります。このときに、がん関連遺伝子以外も丸ごと解析するため、「追加購入」しても唾液を再採取することはありません。ただ、追加購入できるのは6月以降。追加料金については明らかになっていません。僕が質問したところ、1項目当たり数百円くらいになると思ってもらえれば、という回答をいただきました。

購入はYahoo!ショッピング楽天市場amazonから。ただし、前回の4月のときとは解析方法が違うため、前回のユーザーも改めてキットを購入する必要があります。

得意とする専門分野をまとめる

サービスを新しくするのに伴って、解析体制も一新されました。まず、DNAを解析するチップ(マイクロアレイ)の製造は、世界的に有名なアフィメトリクス社が担当します。

そのチップを使って実際に解析するのはタカラバイオ社。タカラというと、缶チューハイやスパークリング清酒「澪」を製造する宝酒造が思い浮かびますが、どちらも宝ホールディングスの子会社です。タカラバイオは研究機関向けに、試薬やアプリケーションを提供しています。実際、僕も研究室にいたときには、制限酵素やDNAポリメラーゼなどでお世話になりました。

解析結果から発症リスクをどう評価するのかが、実は一番難しいところで、ここが各社でノウハウが違ってきます。今回は、遺伝統計学に精通しているスタージェン社の鎌谷医師が、スニップ(一塩基多型、いわゆるゲノム上の個人差)の選定やリスク計算の取りまとめをします。

それぞれ得意とする専門分野をまとめ、最終的にエバージーンがユーザーに情報を提供します。ゆくゆくは、MTIの他サービス(生理予測アプリのルナルナ、医師相談サービスのカラダメディカ、歩数や体重のログをとるカラダフィットなど)との連携を目指すとしています。

左から、峰野純一(タカラバイオ常務取締役)、秋田正倫(エバージーン社長)、鎌谷直之(スタージェン会長)、マシュー・レビー(アフィメトリクス社アジアパシフィックバイスプレジデント)

新しいビジネスモデルとして確立できるか

個人的に気になるのは、やはり他にない料金プラン。数千円で利用できる遺伝子解析サービスもありますが、せいぜい数項目で、しかも怪しげなダイエット・美容ものばかりです。

その点ディアジーン・スターターキットは、信頼できる解析企業がバックについており、あとからユーザーが自由に追加購入できるのも魅力です。自分の好みでなかったら見切りをつけばいいし、気に入れば関心のある項目だけを選べばいいというのは、おもしろい方法です。あとは、これが新しいビジネスモデルとして確立できるか、といったところでしょうか。

なお、エバージーンのご厚意により、ディアジーン・スターターキットをすぐに利用できることになりました。結果が出たら、また報告します。

遺伝子解析サービスに関することはmy genomeタグにまとめてあります。ぜひご覧ください。

 

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